1. 親の心理状態による愛着形成の問題
幼児期もそうですが、乳児期は愛着形成の非常に重要な時期ですね。
乳児が主要な養育者との安定した愛着を形成することで、世界に対する信頼感・情緒的安定が育まれます。
でもまだ何もしゃべらない子供相手に私一人何をすればいいのか、一方的に要求される子供との関係がいっぱいいっぱいでワンオペ状態で幸せではないような私は良いお母さん、お父さんではなさそう。産後うつ…私のこの心理状態が子供にどう影響するのか…
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安定した愛着が形成できる場合 : 養育者が一貫して乳児に反応し、安心感を与えることで、乳児は安定した愛着を形成していきます。それで赤ちゃんは“この世界は安全だ、信頼できるんだ”という基本的信頼感が出来ます。
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不安定な愛着が形成される場合: 養育者の対応が一貫性を欠いたり、乳児のニーズに適切に応えられない場合、不安定な愛着が形成され、基本的な信頼感がないので、後の分離不安や対人関係の問題につながる可能性があります。
2. 発達の遅れ
発達の遅れが特に気になる0~1歳の乳児。
どの年齢より1日の差が目に見えるぐらいに成長するので親は赤ちゃんの発達状態に敏感になります。
もちろん赤ちゃんによって発達速度はまちまちです。
運動、言語、認知の分野で多少遅れる場合があります。
3.気質の問題
赤ちゃんは、生まれた時から自然に備わっている行動パターンや性格を持っています。
これを「気質」と呼びます。この先天的な気質に基づいて、親の性格やさまざまな環境要因と出会うことで、その子だけの性格が形成されます。
言い換えれば、親がどれだけ良く接しても、環境がどれだけ整っていても、この子の気質と合わなければ、さまざまな面で問題が生じる可能性があります。
一般的に、赤ちゃんの先天的な気質は3つのタイプに分けられます。
①扱いやすい気質(Easy or Flexible): このタイプの赤ちゃんは、比較的規則的な睡眠や食事のパターンを持ち、環境の変化にもよく適応します。簡単に落ち着くことができ、基本的に機嫌が良いことが多いです。新しい人や状況にも比較的リラックスして反応します。
②扱いにくい気質(Difficult or Feisty): このタイプの赤ちゃんは、規則的な生活リズムがなく、新しい環境や人に対して敏感に反応する傾向があります。頻繁に泣いたり、不機嫌になったりし、落ち着かせるのが難しいことがあります。新しい経験や変化に順応するのに時間がかかることがあります。
③ゆっくりと反応する気質(Slow to Warm Up or Cautious): このタイプの赤ちゃんは、最初は新しい状況や人に対して慎重に接しますが、時間が経つにつれて徐々に適応し、リラックスしていきます。感情表現が控えめで、新しい環境に慣れるまでに時間がかかることが多いです。
これらの性格に影響を与える3種類の気質を理解することで、赤ちゃんの泣き声や行動を理解し、適切に対応する手助けになります。
4. 情緒および行動の問題
乳児はこの時期、養育者との情緒的な結びつきによって安心感を得るので、養育者からの適切な情緒的支援が欠如すると、情緒的問題が発生することがあります。
頻繁な癇癪や泣き叫び: 理由なく頻繁に泣き叫ぶ、または長時間泣き止まない場合、情緒的な問題や身体的な不調が原因である可能性があります。
情緒の安定性の欠如: 養育者の抱っこやあやしによっても落ち着かない場合、情緒的な問題も考えられます。乳児の気質も考慮する要因になります。
5. 睡眠の問題
乳児期は睡眠のリズムが整わないことが多く、特に生後数か月間は頻繁に目を覚ますことが一般的ですが、過度に睡眠不足が続く場合、親も子供も生活の質が落ちて愛着形成がどうしても困難な場合があります。